俺、実は佐藤だってよ

日常

私の苗字は佐藤ではなく、◯◯なのだが、(作者不詳で貫いているため苗字は伏せることにする。)その実は佐藤だった。

◯◯家の八代目が私である。

祖父の三十七回忌で、実家に帰ったところ、以下のような話を聞いた。

◯◯家の私の曽祖母は、後妻さんで「有壁宿本陣(ありかべじゅくほんじん)」から◯◯家に嫁いできたのだが、
その時には既に曽祖母のお腹の中には◯◯家の長男として育てられる祖父がいたとのこと。

「有壁宿本陣」とは、奥州街道の金成宿と一の関宿の中間に位置する身分が高い者が泊まった休憩宿泊所で、
江戸時代に勅使や幕府役人、とりわけ大名専用を本陣と称していた。(参勤交代のために制度化された。)
有壁宿は佐藤家が代々この宿の本陣と町の検断を勤めていた。

パワーバランス的には格上の佐藤家と、酒屋などを営んでいた◯◯家とのどういった関係性から、このような事態になったのか分からないが、
後々祖父が佐藤家に遊びに行った際もかなりの厚遇を受けたという話を聞くことからも、佐藤家の御落胤(ごらくいん)であることは間違いないのである。

祖父、父、私と繋がる◯◯家は、戸籍上◯◯家なだけで、祖父の代から◯◯家の要素は一切なく、血統的には佐藤なのである。

皆様、今まで騙していてごめんなさい。
今後は「◯◯!」と呼ばれても「佐藤!」と呼ばれても返事をするようにします。

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