右岸の《エルメス》、左岸の《アルニス》

シマジ

《エルメス》はあの言わずと知れた、馬具屋から高級ブランドに上り詰めたフランスのメーカーだが、それと同格で語られる《アルニス》というブランドがあることは知らなかった。

《アルニス》とは、パリ左岸を代表するメゾンだったが、2012年にLVMHグループの傘下になり、商標権を《ベルルッティ(BERLUTI)》に売却され、現在ではブランドとしての実態はなくなってしまったとのこと。
《アルニス》のアイコンともいえるのは「フォレスティエール(森の番人)」ジャケットだとか。

そうか…左岸は無くなってしまうのか…

そもそも、右岸・左岸とはどちらを示すかというと、下流に向かって(海を見て)右側を右岸、左側を左岸というらしい。セーヌ川はパリを南北に分けイギリス海峡に続いているため、南側が左岸というわけだ。

一方で、ボルドー地方の右岸・左岸はどうかというと、こちらも大西洋とそこに流れ込むジロンド川の支流に囲まれた地形(東南から北西に抜ける)のため、東側が右岸、西側が左岸になっている。

こちらは、知名度では左岸が優勢なのではないかと思う。5大シャトーの格付けで有名なメドックは左岸で、私の好きな品種、カベルネ・ソーヴィニヨンが主体のワインを造っている。

とはいえ、右岸もサン・テミリオンやポムロルなどの産地を有し、メルロ主体のワインを作っており、ボルドーで最も高価なワインも右岸で造られているようだ。

両岸とも元気なボルドーのように、復活した《アルニス》に出会ってみたいものだ。似合うかどうかは別として…

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